認知症アロマブレンド

日本の高齢者人口は総務省統計局からの発表では、2021年9月現在の高齢者人口は3,640万人、高齢者人口率は29.1%となりました。

超高齢社会が進むと切り離すことのできないテーマが認知症です。

厚生労働省の発表によると、日本における65歳以上の認知症の人の数は約600万人と推計されています。（2020年現在）

認知症の前段階とされる「軽度認知障害」と推計される約400万人を合わせると、高齢者の約4人に1人以上が認知症あるいはその予備群ということになります。

また認知症は高齢者だけの病気ではありません。65歳未満で認知症を発症する場合もあり、「若年性認知症」と呼ばれています。若年性認知症はアルツハイマー病が多く、とくに40代、50代の働き盛りで起こると老年性の認知症よりも早く進行し、症状も重くなる傾向があります。

全体的にも認知症の中ではアルツハイマー型認知症が最も発症率が高いです。 認知症全体の約70%を占めています。

現在、認知症を根本的に治す治療法はありません。また予防の手立ても確立していないのが現状です。

しかし、アルツハイマー型認知症に関しては、アロマテラピー（芳香療法）で治療可能であるという技術を鳥取大学医学部生体制御学講座の研究で実証しました。

また2014年にはテレビ番組でも紹介されて、アロマテラピーによる認知症予防・改善が広く知られるようになりました。

先述の30年以上認知症の臨床と研究を続ける鳥取大学の浦上克哉教授が下記コメントを発表しました。

「今まで認知症を発病すると最初にダメージを受けるのは記憶を司どる海馬とされてきました。そして海馬は再生能力が無いので発病すると進行するしかないとされてきました。

実は最初にダメージを受けるのは海馬と繋がる嗅神経です。その嗅神経は他の脳神経とは例外的に異なり再生能力が高く、適切な香りで嗅神経を刺激することで、その機能を再生させれば、認知症の予防・改善が出来ます。

特に実験データでは、65歳以上の認知症予備軍には、劇的な効果があり正常数値に戻ります。

香りで治療するアロマテラピーはフランスでは200年の歴史があり、極めて安全性が高く、誰でも簡単にご家庭で出来る認知症予防法です。」

アルツハイマー型認知症では新しい記憶や見当識（※）に関与している脳の内嗅皮質や海馬に、タンパク質の一種が細胞の中で繊維化して沈着したものが蓄積します。これらの領域はにおいを感じることにも関連していて、アルツハイマー病患者は物忘れの症状がみられる前から、においがわからなくなると言われています。

一方、海馬では生涯にわたって新しい神経細胞がつくられていて、環境によってつくられる神経細胞の量が影響されることもわかっています。

においは直接、海馬のある大脳辺縁系へと伝えられます。アロマ療法によって、においを刺激として与えることで、海馬で新しい神経細胞がつくられることが促進され、アルツハイマー型認知症の改善に結びついたのではないかと考えられています。

※見当識：「ここはどこなのか」「いつなのか」「なぜここにいるのか」「目の前にいる人は誰なのか」など、自分の置かれている状況や、周囲との関係を結びつけて考えることのできる機能のことを見当識といいます。

アルツハイマー型認知症に有効なエッセンシャルオイル（精油）
アルツハイマー型認知症に効果のあるエッセンシャルオイル（精油）は以下の4種類と決まっています。これらをディフューザー（※）で散布することが、最も効果的であるとされています。

※ディフューザー：ディフューザーとは、精油の香りを拡散する専用の芳香拡散器のことです。当店ではアロマオイルの成分を損なわずに拡散できる火と使わないタイプをお勧めしています。

具体的なアロマ療法の方法は下記の通り簡単に行うことができます。

【昼用アロマ】
朝（9～11時）に2時間以上嗅ぐ

・ローズマリー4滴とレモン2滴

活性化系のアロマオイル
ローズマリー → 集中力が高まる作用があります。
レモン → 高揚効果があります。

【夜用アロマ】
夜（19時半～21時半）就寝1時間前から2時間以上嗅ぐ

・ラベンダー4滴とオレンジ2滴

鎮静化系のアロマオイル
ラベンダー → 安眠効果があります。
オレンジ → リラックス効果があります。

上記ブレンドを朝晩、アロマペンダントやディフューザー（芳香拡散器）などにより芳香浴をして、香りで嗅神経に刺激を与えるという簡単な方法です。
※午前中は活動する時間ですので、アロマ用のペンダントを首から下げておくと便利です。

※使用するエッセンシャルオイル（精油）に関する注意点
・化学合成品の精油は人体に影響を及ぼす場合があるため、オーガニックのものを選びましょう。

・エッセンシャルオイルを鼻に近づけすぎると頭痛等が起きる事もあるので要注意です。

・精油は保存状態によって成分が変化しやすいため、遮光性のガラス容器でキャップをしっかり締めて保存し、冷暗所で保管しましょう。

・酸化しやすいため開封後は1年以内に使い切るようにしましょう。

【Ｑ】夜用だけを使ってもいい？

【Ａ】昼用アロマは神経細胞を活性化、夜用アロマは神経細胞を鎮静化する作用がある。昼用と夜用を併用した方が神経細胞の活性化と鎮静化ができるため効果的。

【Ｑ】40代から使っても効果はある？

【Ａ】効果は期待できる。認知症は65歳を過ぎると発症しやすくなるが、発症する10～20年ほど前から脳の中では変化が始まっているので、40代・50代から始めても予防効果は期待できる。